仏前結婚式の魅力とは

(2018年7月号掲載)

【ピックアップ小特集】

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※紙面掲載したものに加筆・修正したものもあります。

仏前結婚式の魅力とは(2018年7月号掲載)

 「結婚式」と一口に言っても今は様々な式の形がある。豪華絢爛な式を挙げたい人もいるだろうが、反対にどんどん質素を突き詰め「ナシ婚」(式を挙げない)などの言葉も生まれている。

 しかし今、日本伝統の結婚式が改めて注目されている。古式ゆかしい厳かな式が現代の若者にとって新鮮に感じられるのだろう。

 そこで、今月号では仏前結婚式の意義や内容、また実際に仏前結婚式を行った人の声を紹介してみた。

厳かで華やかな雰囲気 ~仏縁で二人が結ばれる式を~

◇式の進行内容は

 「仏前結婚式」は、その名の通り、仏さまの前で夫婦になることを誓う結婚式のこと。昨今、結婚式をしない人も増えてはいるが、結婚式と言えば、ウエディングドレスを着て、華やかな雰囲気の中で式を行うイメージがあるだろう。

 しかし、仏前結婚式は有縁の方々の中で、お互いを尊重し助け合う人生のパートナーに出会えた不思議なご縁を胸に、共に生きていくことを互いに誓い合い確かめ合う厳粛な式である。

 浄土真宗の仏前結婚式は、ご本尊の阿弥陀如来の前で式を行う。その進行内容は、地方によって多少の違いはあるが、ここでは難波別院で行っている式を紹介する。

 まずは「勤行」、司婚者による「表白」「司婚のことば」、新郎新婦による「誓いのことば」と続く。その後、「念珠の授与」「焼香」となり、ご本尊に向かい一同が合掌する。そして、新郎新婦の「杯の儀」が行われる。最後に親族一同で乾杯し新しい生活の始まりをお祝いする。ちなみに、進行内容の中に指輪の交換は含まれていないが、希望すれば行う事もできる。また、式には親族までの参加となるが、友人などの見学が可能な場合もあるので、一度尋ねてみては(難波別院では可能)。

 また、結婚式の日取りについて悩む方がいるようだが、一般的によく言われる「大安が好ましい」であるとか、「仏滅は良くない」などは真宗では問わない。いわゆる迷信に囚われず、ご縁のある人や結婚式を行う寺院など、それぞれ都合のいい日取りで良い。

◇仏前で誓い合い

 近年、「和婚」を希望する人が増えている傾向から、仏前結婚式も改めて注目されている。その理由は和装での結婚式を希望したり、厳かな雰囲気の中で式を挙げたいなど、様々である。

 そこで実際に難波別院において仏前結婚式を挙げた新婦さんに感想を聞いてみた。

 難波有香さん(第9組淨圓寺)は、「仏前結婚式は、お勤めを行ったりするので、神前式と似ているようで違った良い雰囲気があると思います。また、親族や友人からも好評でした。仏前結婚式は珍しいので、見学を希望してくれる友人が沢山いて嬉しかったです」と、式の雰囲気がとても良く周りの関心も高かったと話していただいた。また、長谷有希さん(第22組満泉寺)は、「お寺で結婚式というのは、とても新鮮で迫力がありました。本堂内のきらびやかさに圧倒され、華やかな感じがして良かったです。友人の中でも白無垢を着て式を挙げたのは私だけだったので素敵だと言ってくれました。仏前結婚式という貴重な経験ができたと思います」と、本堂の厳かな様子と感想を語っていただいた。

 仏前結婚式と聞いても雰囲気やイメージが想像しづらく、式の選択肢には入りづらいかもしれない。しかし、実際に挙げた方の声を聞いてみると、きっと特別な心に残る式となることだろう。

 夫婦となって生活する中で、時には壁にぶつかることもある。その時に、仏さまの前で誓い合ったことを思い出し、仏さまが願われていることに耳を傾けてほしい。そのような仏縁で二人が結ばれる式を挙げてみてはいかがだろうか。

 難波別院の「仏前結婚式」のお問い合わせは、「仏前結婚式専用サイト」又は別院法務部(06-4708-3276)まで。

杯の儀式で夫婦の門出をお祝いします